戸籍上の外国人の表記
日本国籍ではない人が、日本の戸籍に入ることはありません。しかし、配偶者や親等が外国人の場合は、その外国人の氏名が日本の戸籍に記載されます。
この場合、住民票や在留カードと違い、その外国人の氏名はカタカナで表記されます。
外国語と日本語の発音
ところが、外国語の発音を日本のカタカナでうまく表現できない場合が多々あります。
例えば「David」さん、「デービッド」「デイビッド」「デーヴィッド」「デビッド」等々、色々なカタカナの表記があるようですが、カタカナ表記は法律上の定めもなく、また、市区町村で統一的な表記のルールもありません。
戸籍の訂正と裁判所の許可
この場合は、初めから戸籍の記載に錯誤(間違い)があると、考えられるので、間違えを訂正する手続きをすることになります。
戸籍法第百十三条 戸籍の記載が法律上許されないものであること又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる。
申立てにあたっては、戸籍の記載が誤りであることがわかる資料を申立書と一緒に裁判所に提出することになります。
手続きをする人
戸籍法113条では「利害関係人」となっていますが、実際には外国人の配偶者である日本人が手続きをすることになります。法律上そうなっているというわけではなく、戸籍のシステム上の問題です。
外国人の配偶者である日本人が、裁判所の許可をえて外国人の配偶者の戸籍上のカタカナ表記を訂正すると、その戸籍の届で同じ戸籍にいる子供たちの父母の欄の氏名も訂正してくれます。
ですが、念のため、配偶者の氏名と子供の父母欄の氏名の両方の訂正を申立てるのがお勧めです。
子供だけが、外国人親の正しいカタカナの氏に戸籍を変更したい場合
上に書いた内容が、原則です。しかし、あまりカタカナの表記にこだわらない日本人配偶者の方も多いと思います。この場合で、お子様だけが正しいカタカナ表記で外国人親の氏に日本の戸籍も変更したいということもあります。
外国人の親の氏に日本の戸籍の氏を変更する手続きは、外国人親の氏への変更許可申立の記事(戸籍法第107条第4項)をご覧ください。
また、戸籍のカタカナ表記の誤りが軽微である場合は、こちらの「子の氏を外国人親の正しい氏へ変更する手続」の記事をご覧ください。
手続きとしては
一つの手続きでは直接、正しいカタカナ表記の外国人親の氏へ変えることは原則できませんが、一度、外国人親の氏に変更したあと、カタカナの表記が誤っているので戸籍を訂正することは可能です。
私としては、一つの手続きで済ませられた方が効率が良いと思うのですが、法律上・手続上は難しいです。
ミドルネームの問題
外国人の親を持つ方は、戸籍や住民票にミドル―ネームがカタカナで記録されている方もいます。
こちらも同様にカタカナの表記が正しくない場合は、正しい表記に訂正することは可能です。
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