養子縁組をしていた養親が亡くなったあと、「養子縁組前の旧姓に戻せるのだろうか」「養親の死後でも養親子関係は解消できるのだろうか」と疑問に思う方は少なくありません。
一定の手続きを行うことで、養親の死亡後であっても養子縁組を解消する手続き(いわゆる死後離縁)が可能であり、その結果として氏(苗字)を変更できるケースがあります。
もっとも、配偶者の死亡後の復氏とは異なり、養子縁組の解消や氏の変更は、戸籍の状態や手続きの順序によって判断が分かれます。本記事では、制度と実務の両面から、以下のポイントを分かりやすく解説します。
- 養親死亡後に行う死後離縁の仕組み
- 離縁後の氏の変更とその他の法的効果
- 死後離縁をした人の子供の氏の変更
養親が亡くなった後の養子縁組の解消
養子縁組は、養親と養子の合意によって成立する親子関係ですが、片方が亡くなった場合であっても、その養親子関係が自動的に解消されるわけではありません。たとえば、養親の死亡後も、戸籍上は養子縁組が存続している状態となります。
そのため、養親の死亡後に養子縁組を解消したい場合には、「死後離縁」と呼ばれる手続きを検討することになります。これは、養親がすでに亡くなっているため協議による離縁ができず、家庭裁判所の関与を前提として行われる、養子縁組解消の手続きです。
ここではまず、死後離縁がどのような制度として位置づけられているのか、また、生前に行う離縁とどのような点が異なるのかを整理します。
死後離縁の制度上の位置づけ
死後離縁とは、養親の死亡後に、家庭裁判所の許可を得て養子縁組を解消する手続きです。民法上は、「死後離縁」という名称の制度が明文で定められているわけではありませんが、実務上はこのように呼ばれています。
養子縁組を解消する方法には、当事者の合意によって行う協議離縁と、家庭裁判所が関与する方法があります。養親が死亡している場合には、当事者双方の合意による離縁ができないため、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
この手続きでは、単に「養子縁組を解消したい」という意思があるだけでは足りず、裁判所が申立ての目的や親族関係などを踏まえて、許可するかどうかを判断します。
生前に行う離縁との違い
生前に行う離縁と異なり、死後離縁では、当事者である養親がすでに亡くなっているため、必ず家庭裁判所の関与が必要になります。そのうえで、離縁によって親族関係が消滅する養親の親族の利害も、裁判所の審理の対象となります。
このように、死後離縁は生前の離縁とは異なる前提で進められる手続きであり、制度の理解を踏まえたうえで、次の段階として具体的な手続きや書類の準備を行うことが重要です。
参考:戸籍法811条6項
(協議上の離縁等)
第八百十一条 縁組の当事者は、その協議で、離縁をすることができる。中略
6 縁組の当事者の一方が死亡した後に生存当事者が離縁をしようとするときは、家庭裁判所の許可を得て、これをすることができる。
養親死亡後に行う死後離縁許可の手続き
養親が亡くなった後に養親子関係を解消するためには、家庭裁判所への申立てを行い、許可を得る必要があります。生前に行う離縁とは異なり、当事者間の協議によって手続きを進めることはできません。
死後離縁の手続きは申立てを起点として始まりますが、その過程では、戸籍の収集や申立書の記載内容、提出書類をどのように準備するかが重要になります。申立ての流れを正しく理解しておくことで、その後の審理や戸籍上の手続きを円滑に進めることができます。
家庭裁判所への死後離縁許可申立ての流れ
死後離縁は、養親の死亡後に養子縁組を解消するための手続きであり、家庭裁判所への申立てを行い、その審理を経て許可を得ることが前提となります。
- 養子縁組の成立から現在までの戸籍関係の確認・収集
- 死後離縁許可申立書の作成および必要書類の準備
- 管轄する家庭裁判所への申立て
- 家庭裁判所における審理・判断
- 死後離縁許可審判の確定
- 許可後に行う離縁届の提出および戸籍の整理
ここではまず、申立てに至るまでの全体像と、準備段階で必要となる事項を整理します。
戸籍および関係資料の収集
死後離縁の申立てにあたっては、養子縁組の成立から現在に至るまでの戸籍関係が分かる戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)を整える必要があります。
家庭裁判所の死後離縁許可の手続き案内のページでは、養親と養子それぞれの最新の戸籍謄本の二つが標準的な添付書類とされています。
しかし、この二つだけでは事情が分かりづらいこともあり、養子縁組成立時から現在までの養親・養子それぞれの戸籍を求められることも少なくありません。特に養子縁組後に結婚や離婚などの理由で戸籍が移動している場合は、縁組後の途中の戸籍も重要だといえます。
ここで重要なのは、単に必要とされる戸籍を集めることではなく、裁判所が時系列で養親子関係を理解できる状態になっているかという点です。
戸籍の取得範囲が不足していたり、関係性が途中で分断されていたりすると、追加提出を求められることもあります。
また、事案によっては、申立てに至った経緯を補足するための資料を用意する場合もあります。これらの資料は、後述する申立書の記載内容と対応させたうえで、必要性を整理して提出することが大切です。これらの資料は家庭裁判所の判断に影響をあたえるので、詳細は第3章「家庭裁判所における審理と判断の考え方」で触れます。
死後離縁許可申立書の作成とその注意点
戸籍や関係資料を収集した後は、家庭裁判所に提出する死後離縁許可申立書を作成します。申立書には、主に次の事項を記載します。
- 申立人と養親との関係
- 養子縁組の経緯
- 養親の死亡時期
- 死後離縁を希望する理由
この段階では、「なぜ死後離縁を行う必要があるのか」という点を、事実関係に即して淡々と説明することが重要です。感情的な表現や評価的な記載は避け、裁判所が客観的に判断できる材料を整理して示すことが求められます。
死後離縁許可申立書のひな形
死後離縁許可の申立ては、養子が15歳以上か15歳未満かで、申立人が変わります。15歳以上の場合は養子本人が、15歳未満の場合は養子の実親が申立人となります。
以下では、主要な記入項目について簡単に説明します。
申立人の情報を記入する欄(申立書1ページ目)
養子が15歳以上の場合
この欄には、申立人になる養子の本籍、住所、連絡先、氏名、生年月日を記入します。本籍、住所氏名は戸籍や住民票の記載のとおりに記入してください。
養子が15歳未満の場合
この欄には、申立人になる実父母の本籍、住所、連絡先、氏名、生年月日を上部に、養子の本籍、住所、氏名、生年月日を下部に記入します。本籍、住所氏名は戸籍や住民票の記載のとおりに記入してください。
申立ての趣旨の欄
申立ての趣旨の欄には養親と離縁することの許可を求めていることを記入します。具体的には、養親の本籍、養父又は養母の氏名を記入すれば足ります。養親の本籍、氏名は戸籍に記載されているとおりに記入してください。
申立ての理由の欄
養子縁組の経緯、養親の死亡日を記入する欄
養子縁組、養親の死亡日は、戸籍を確認して正確に記入してください。養子縁組の経緯は分かる限りで構わないので、具体的に記入してください。実父母に聞くことができるのであれば、その内容を踏まえて記載するとよいでしょう。
離縁をしたい理由を記入する欄
離縁をしたい理由は、具体的に現在の状況を説明してください。理由を裏付ける資料がある場合は、資料と矛盾しないように注意する必要があります。
その他の事情を記入する欄
亡くなった養親との間で、離縁について生前に合意があった場合は、「はい」に〇をしてください。
その下の亡くなった養親の遺産を相続しているかどうかは、重要なポイントになります。相続した財産がある場合は、どういった財産を相続しているかを具体的に記入してください。また、もし相続放棄をしている場合は、どこの家庭裁判所で手続きをしたのかも記入するべきです。
家庭裁判所における審理と判断の考え方
死後離縁の申立てが行われると、家庭裁判所は、申立書や添付資料をもとに、離縁を許可することが相当かどうかを審理します。
死後離縁は、当事者である養親がすでに亡くなっているという特性から、申立人の意思だけで身分関係を解消することができません。そのため、裁判所が関与し、離縁の目的や経緯、親族関係や相続関係への影響などを踏まえて判断が行われます。
この章では、家庭裁判所が死後離縁を許可するかどうかを判断する際の考え方を、実務上の整理として確認します。
死後離縁許可のポイント
死後離縁の申立てが許可されるかどうかは、申立人の主観的な意思だけで判断されるものではありません。家庭裁判所は、死後離縁という制度の趣旨を踏まえ、申立ての目的や経緯が相当といえるかどうかを確認します。
この点について参考になる裁判例として、平成11年の福岡高等裁判所の決定があります。この決定では、死後離縁制度の位置づけと、家庭裁判所が関与する理由について、次のような一般的な考え方を示しています。
民法811条6項は、養親又は養子が死亡後に他方当事者を法定血族関係で拘束することが不相当になった場合、生存当事者の利益を考慮して死後離縁を認めることとし、その際、道義に反するような生存当事者の恣意的離縁を防止するために、死後離縁を家庭裁判所の許可にかからしめたものと解するのが相当である。
この決定が示しているのは、死後離縁が「自由に行える身分行為」ではなく、生存当事者による恣意的・道義に反する離縁を防ぐために、家庭裁判所の関与を必要とする制度であるという点です。
もっとも、家庭裁判所の関与が求められるからといって、死後離縁が常に例外的・厳格にしか認められない制度であるという意味ではありません。
この点については、死後離縁の許可判断のあり方を、より具体的に示した令和3年の大阪高等裁判所の決定が参考になります。
養子縁組は、養親と養子の個人的関係を中核とするものであることなどからすれば、家庭裁判所は、死後離縁の申立てが生存養親又は養子の真意にもとづくものである限り、原則として許可すべきであるが、離縁により養子の未成年の子が養親から扶養を受けられず生活に困窮することなど、当該申立てについて社会生活上容認しえない事情がある場合には、これを許可すべきではないと解される。
大阪高等裁判所令和3年3月30日の決定の詳細
死後離縁許可申立の経緯
まず、本件の死後離縁申立てに至るまでの経緯を整理します。夫A・妻Bが家業の跡取りとするため娘Cの夫Dを養子にしましたが、娘夫婦は子供に恵まれなかったので、娘Cの兄弟の子(夫婦の孫)EをC・D夫婦の養子にしました。
その後、Dが死亡し、直後にBが死亡して、それぞれの相続手続きがされ、EはDの相続人、Bの代襲相続人として、それぞれの遺産の一部を相続しました。A・CとEが対立、Eが家業から離れ、その後、AがDとの養親子関係を解消するため、死後離縁許可申立てをしました。
家庭裁判所では、利害関係人として死後離縁許可申立手続きに参加したEから、離縁がAの目的ではなく、養子Dを代襲してEがAの相続人となることを排除することを目的とした恣意的な死後離縁許可申立であると主張がされ、家庭裁判所がこの主張を採用して却下しました。
これに対して、Aが不服申し立てをして、大阪高等裁判所に手続きがうつりました。
高等裁判所の判断
大阪高等裁判所は、まず上記の判断基準を示した後に、この申立てがAの真意にもとづくものであることを前提に、以下の4つの点をあげて、「社会生活上容認しえない事情」があるのかを検討しました。
- 養子縁組をした目的
- Eの収入や資産の状況
- AとEの関係
- 許可によってEがAの代襲相続人である地位を失うこと
1つ目の養子縁組の目的は、先にDが亡くなってしまったので、家業の承継は実現不可能になっています。
2つ目は、Eの就労実績と、BとDから相続した財産があることで、許可をしても、Eの生活が困窮するなどの事情はないと判断しました。
3つ目のAとEの関係は、著しく悪化していて、Eは既にAの家業とは無関係になっていました。
4つ目は、代襲相続人の地位を奪うことを目的に含む、死後離縁許可の申立てであることをあらためて、確認しました。
しかし、高等裁判所は、代襲相続人の地位を奪うことを目的になっていても、1つ目から3つ目までの事情を踏まえれば、死後離縁を許可することが「社会生活上容認しえない事情」には当たらないと判断しました。
解説
この決定は、死後離縁について「原則として許可されるべき身分行為」であることを明確にしたうえで、例外として問題となるのは、死後離縁を許可することが社会生活上容認しえないと評価される場合に限られることを示しています。
注目すべき点は、養子が代襲相続人の地位を失うという結果が生じても、それのみをもって直ちに「社会生活上容認しえない事情」があると判断していない点です。「養子縁組の目的がすでに失われていること」、「養子の生活基盤が確保されていること」、「養親と養子との関係が実質的に破綻していること」など、個別具体的な事情を総合的に考慮しています。
このように、死後離縁の許否は、申立ての動機を形式的に評価するのではなく、養親の死亡後においてなお養親子関係を存続させることが社会通念上相当といえるかどうかを、実質的・総合的に判断する枠組みで検討されることが、本決定から読み取れます。
したがって、死後離縁の許可が問題となる場面では、「社会生活上容認しえない事情」の有無が重要な判断要素となります。
もっとも、生存している養子側から申立てにおいては、社会生活上容認しえない事情が問題となることは多くありませんが、養親の死亡から間がない場合、養親側の親族、特に配偶者が存命の場合や養親の未成年の子供や孫がいる場合には注意が必要です。
「社会生活上容認しえない事情」の整理
この記事では、生存している養子が、亡くなった養親との離縁を求めるケースを前提としています。以下の整理も、これを念頭に置いたものです。
大阪高等裁判所の決定が示すとおり、死後離縁は原則として許可されるべきものとされていますが、例外として、当該申立てについて「社会生活上容認しえない事情」がある場合には、許可されないことがあります。
この章では、どのような場合にこのような事情が問題となり得るのかを、実務上の整理として確認します。
「社会生活上容認しえない事情」とは何を指すのか
死後離縁における「社会生活上容認しえない事情」とは、単に養親子関係を解消する目的そのものではなく、その背景にある経緯や意図が、道義に反すると評価されるかどうかという観点から判断されます。
前章で触れた裁判例が示すとおり、家庭裁判所が関与する理由は、生存当事者による恣意的な離縁を防止する点にあります。そのため、申立ての理由が社会通念上相当といえるかどうかが確認されます。
通常、問題とされにくい申立理由
生存している養子側からの死後離縁申立てにおいて、次のような事情が認められる場合には、一般に「社会生活上容認しえない事情」があるとは評価されにくいと考えられます。
- 養親の死亡後、養親側親族との関係を維持することが事実上困難になっている場合
- 養親側親族との経済的・生活的・精神的な結びつきがすでに希薄で、法的関係のみが残っている場合
これらは、養親の死亡後に養親子関係を存続させる合理性が失われたと評価されやすく、死後離縁制度の趣旨とも整合します。
具体的には、以下のような場合、上記の事情があることを裁判所が推察すると考えられます。
- 養親の死亡から長期間経過している場合
- 養親側の親族と疎遠である場合
- 養親側の親族が存在しない場合
- 養親側の親族が独立して生計を立てている場合
- 養親の遺産を相続していない又は相続放棄をしている場合
相続との関係についての整理
申立ての動機として、養親の相続との関係が背景にある場合であっても、それだけで直ちに社会生活上容認しえない事情と評価されるわけではありません。
死後離縁は、亡くなった養親の相続関係そのものに影響を及ぼす制度ではなく、相続関係を変更するための手段ではないためです。
もっとも、養子が亡くなった養親の財産の大部分を相続しており、その結果として、養親側の配偶者や血族の生活維持や扶養・支援が事実上期待されているような場合には、申立ての目的が制度趣旨に照らして相当といえるかどうかが慎重に検討されることになります。
このような場合には、単に養親子関係を整理したいという理由にとどまらず、相続との関係を含めた事情全体を踏まえて、死後離縁を求めることの相当性が問われることになります。
社会生活上容認しえない事情の有無が判断される視点
以上のとおり、家庭裁判所は、死後離縁の申立てについて、特定の事情の有無を形式的に確認するのではありません。
養親の死亡後において、なお養親子関係を存続させることが社会通念上相当といえるかどうかを、養子縁組の目的、申立てに至る経緯、生活関係や親族関係の実情などを踏まえて、実質的・総合的に判断します。
死後離縁許可後の離縁届書の作成と戸籍手続き
死後離縁が許可され、許可が確定した後、離縁届を市区町村に届け出ることではじめて養親子関係が解消されます。戸籍が自動的に変更されるわけではありません。
この章では、死後離縁許可後に必要となる離縁届書の作成方法を実務の流れに沿って整理します。
離縁届書の作成と届出の流れ
死後離縁の許可が確定した後は、市区町村に「離縁届」を提出することで、はじめて養親子関係が解消されます。家庭裁判所の許可があっても、離縁届を提出しなければ戸籍は変更されません。
離縁届の届出先は、届出人の住所地または本籍地の市区町村です。届出は窓口のほか、郵送で行うこともできます。
離縁届の届出に必要なもの
- 離縁届(市区町村で入手できます)
- 家庭裁判所の死後離縁許可審判書謄本
- 審判確定証明書
- 届出人の本人確認書類
本籍地以外の市区町村に届け出る場合でも、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)の提出を求められないのが通常です。また、届書への押印は任意で、押印がなくても受理されます。
離縁届の手続きの流れ(ステップごとに確認)
- 死後離縁許可審判が確定する
- 離縁届を入手する(窓口または市区町村のWebサイトから取得)
- 必要事項を記入する(記入例は後述)
- 必要書類を添えて市区町村へ届け出る
- 受理後、養親子関係が解消される
離縁届は、死後離縁許可審判が確定した後であれば、いつでも届け出ることができます。
届書の記入には、本籍や筆頭者などの情報が必要になります。事前に戸籍を取得し、内容を確認しておくと記載ミスを防ぐことができます。
離縁届の記入方法
離縁届の様式や記入例は、市区町村のWebサイトで公開されていることがあります。実際に使用する様式は、届出先の市区町村の案内を確認してください。
離縁届は大きく分けて、3つの必須のパートがあります。一つ目は離縁をする養子に関する欄、二つ目は養親に関する事項の欄、最後に証人の欄です。
死後離縁は、他の裁判手続きを経た離縁と異なり、裁判で離縁が効力を発生するわけではなく、家庭裁判所の許可を得た後に届出をすることで離縁の効力が発生するので、協議離縁と同様に2名の証人が必要になることが特徴的です。
離縁をする養子に関する欄
離縁をする養子の氏名、生年月日、住所、本籍を記入するほか、実父母の氏名と続き柄を記入します。
「離縁の種別」は、死亡したものとの離縁〇〇年〇〇月○○日許可の審判確定の部分にチェックを入れて、確定証明書に記載された確定の日付を記入します。
離縁後の本籍は、離縁をする人の状況で書き分けが必要です。
離縁をする養子が縁組前の戸籍に戻る場合
縁組前の戸籍が除籍や改製原戸籍になっていない場合で、婚姻をしていない場合は、「元の戸籍にもどる」にチェックをして縁組前の戸籍の本籍・筆頭者を記入します。
離縁後に新しい戸籍をつくる場合
縁組前の戸籍が除籍や改製原戸籍になっている場合または離縁をする人が婚姻で戸籍の筆頭者になっている場合は、「新しい戸籍をつくる」にチェックをして新しい戸籍の本籍と離縁後の氏の筆頭者の氏名を記入します。
養子の戸籍に変動がない場合
縁組後に配偶者の氏を名乗る婚姻をしている場合や、さらに別の養子縁組をしている場合は、「養子の戸籍に変動がない」にチェックを入れます。
最後に届出人署名欄に、署名をします。(押印は任意)
養親に関する情報を記入する欄
この欄には、亡くなった養親の氏名、生年月日、最終の住所、本籍・筆頭者を記入します。家庭裁判所の許可審判書の内容と矛盾がないよう注意が必要です。もし、住民票等が保存期間満了で廃棄されているため、住所が分からない場合は、空欄でも問題ありません。
その他の欄には、養親が亡くなった日付や裁判所の離縁許可の審判書と確定証明書を添付する旨を記入すると親切です。
養親は亡くなっているので、届出人署名欄は空欄にします。
証人の欄
証人の欄には、離縁についての証人2名の署名押印が必要です(民法812条、民法739条2項)。この証人と、婚姻届や養子縁組届に署名する証人と同様で、離縁をする人が離縁する意思が間違いなくあることを保証する人を意味します。
参考:民法812条
(婚姻の規定の準用)
第八百十二条 第七百三十八条、第七百三十九条及び第七百四十七条の規定は、協議上の離縁について準用する。この場合において、同条第二項中「三箇月」とあるのは、「六箇月」と読み替えるものとする。
参考:民法739条
(婚姻の届出)
第七百三十九条 婚姻は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。
この欄には、証人が署名をして(押印は任意)、生年月日、住所、本籍を記入します。
記入内容に不安がある場合は、市区町村の窓口で相談しながら記入することもできます。空欄のまま持参して確認しても差し支えありません。
戸籍への反映と確認方法
離縁届が受理されると、戸籍上で養親子関係が解消されたことが記録され、養子の戸籍に異動がある場合は、別の戸籍に異動又は新戸籍が編製されます。念のため、記載内容に誤りがないか、後日、戸籍謄本を取得して確認すると安心です。
離縁後の縁氏続称の手続き
死後離縁によって養親子関係が解消されると、養子は原則として縁組前の氏に復します。
もっとも、一定の条件を満たす場合には、離縁後も引き続き、離縁の際に称していた氏を継続して名乗ることができます。
このように、離縁後も従前の氏を称することを「縁氏続称」といいます。この手続きは、家庭裁判所の許可を要するものではなく、期限内に戸籍の届出をすることで、戸籍上の氏を変えることができます。
縁氏続称とは何か(離縁による復氏との関係)
養子は、離縁によって縁組前の氏に復するのが原則です。これは、離縁によって養親子関係が解消されることに伴う、氏の当然の効果です。
もっとも、離縁の事情や生活関係に配慮し、一定の場合には、離縁後も引き続き離縁時の氏を称することが認められています。これが縁氏続称の制度です。なお、縁組後に配偶者の氏を名乗る婚姻をしている場合や、さらに別の養子縁組をしている場合は、縁組後の婚姻、新しい縁組によって名乗る氏が優先されるので、この手続きをすることができません。
縁氏続称が認められる要件
縁氏続称を届け出るためには、養子縁組期間が7年以上で、離縁の日から3か月以内に戸籍の届出をする必要があります(民法816条2項)。
参考:民法816条2項
(離縁による復氏等)
第八百十六条 養子は、離縁によって縁組前の氏に復する。ただし、配偶者とともに養子をした養親の一方のみと離縁をした場合は、この限りでない。
2 縁組の日から七年を経過した後に前項の規定により縁組前の氏に復した者は、離縁の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離縁の際に称していた氏を称することができる。
- 縁組の日から7年を経過した後に、離縁によって縁組前の氏に復していること
- 離縁の日から3か月以内に、戸籍法の定めに従って届出を行うこと
これらの要件を満たさない場合には、縁氏続称をすることはできません。
縁氏続称の届書の作成と実務上の注意点
縁氏続称は、市区町村に対する届出によって行います。家庭裁判所への申立てや許可は不要です。
この届出は、離縁届と同時に又は届出後にすることができ、同時に届け出る場合と離縁成立後に届け出る場合で記入する内容が若干変化するので、届出の際に市区町村の窓口で相談しながら記入するのが望ましいです。
離縁後の氏の変更とその他の法律的な効果
裁判所の死後離縁の許可を得て離縁届を届出ると、養親子関係は法的に解消されます。これに伴って、養子の氏や戸籍の状態が変わることがあります。
もっとも、離縁によって生じる法的な効果は、氏の変更にとどまりません。親族関係の範囲や、相続との関係など、実務上確認しておくべき点がいくつかあります。
この章では、死後離縁が成立した後に生じる主な法律的な効果について、氏の扱いを中心に整理し、あわせて注意すべきポイントを解説します。
離縁後の氏の扱いと戸籍の整理
死後離縁が成立し、離縁届が受理されると、養子の身分事項欄に「離縁をした旨」やその年月日が記録されます。
そのうえで、離縁後の氏の扱いや戸籍の整理のされ方は、離縁前の戸籍の状態によって異なります。
なお、亡くなった養親の戸籍の身分事項には離縁の記載を要しないとされています(昭和24年4月21日民事甲925号回答)
縁組前の氏に復する場合
養子は原則として縁組前の氏に復します。この場合、戸籍の整理は次のように分かれます。
縁組前の戸籍が現存している場合
縁組前の戸籍が除籍や改製原戸籍となっておらず、現に存在している場合には、離縁後、その戸籍に戻ることができます。
この場合、縁組前の戸籍に子供として復帰する形となり、戸籍上には離縁による復帰であることが記載されます。
なお、この場合でも、縁組前の戸籍に戻らず、本人の申し出によって新しい戸籍を作成することもできます。
養子が婚姻をして戸籍の筆頭者になっている場合
養子が婚姻をして戸籍の筆頭者になっている場合は、必ず新しい戸籍が編製され、夫婦で新しい戸籍に移動することになりますが、子供は影響を受けません。
この場合に子供も親の復氏に伴って、親の氏へ変更するためには、別途手続きが必要になります。(詳細は、「死後離縁をした人の子供の氏の扱い」で説明します。)
縁組前の戸籍が除籍・改製原戸籍となっている場合
縁組前の戸籍がすでに除籍や改製原戸籍となっている場合には、離縁後に必ず新たな戸籍が編製されます。新戸籍には、離縁によって縁組前の氏に復したことが記載されます。
婚姻関係が継続している場合など、戸籍に大きな変動がないケース
縁組後に配偶者の氏を名乗る婚姻をしており、その婚姻関係が継続している場合には、離縁をしても戸籍に変動はありません。
このような場合でも、養親子関係が解消された事実自体は戸籍に記載されて、戸籍の身分事項欄に「離縁をした旨」が明確に記録されます。
縁氏続称をした場合
離縁後に縁氏続称の届出を行った場合には、例外的に、離縁の際に称していた氏を引き続き名乗ることができます。(詳細は「離縁後の縁氏続称の手続き」で触れています。)
この場合では、新たな戸籍が編製された後に、「離縁をした旨」、「戸籍法73条の2の届出によって氏を変更した旨」が記録されます。
参考:戸籍法73条の2
第七十三条の二 民法第八百十六条第二項の規定によつて離縁の際に称していた氏を称しようとする者は、離縁の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
参考:民法816条2項
(離縁による復氏等)
第八百十六条 養子は、離縁によって縁組前の氏に復する。ただし、配偶者とともに養子をした養親の一方のみと離縁をした場合は、この限りでない。
2 縁組の日から七年を経過した後に前項の規定により縁組前の氏に復した者は、離縁の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離縁の際に称していた氏を称することができる。
いずれのケースにおいても、離縁後の戸籍の記載内容は個別の事情によって異なります。届出後は、実際に戸籍謄本を取得し、離縁や氏の記載がどのように整理されているかを確認しておくと安心です。
死後離縁による親族関係への影響
死後離縁が成立すると、養親と養子との親子関係は法的に解消されます。これに伴い、養親を基礎とする親族関係も終了します。
ここでは、死後離縁によってどの範囲の親族関係が解消されるのかを、制度上の整理として確認します。
養親との親子関係の解消
死後離縁が成立すると、養子は養親との親子関係を失います。これは生前に行う離縁と同様であり、死後離縁であっても例外はありません。
養親と単独で縁組をしていた場合は、その養親との親子関係が解消されます。
一方、養親夫婦と共同で縁組をしていた場合には、離縁の対象となった養親との親子関係のみが解消され、他方の養親との親子関係は原則として存続します。
戸籍上も、養子の身分事項欄に離縁の事実が記録され、どの養親との親子関係が解消されたのかが明確に整理されます。
なお、生存している養親と亡くなった養親の双方と離縁することも可能です。
養親の血族との親族関係
養親との親子関係が解消されることに伴い、その養親を起点とする親族関係も終了します。
具体的には、離縁の対象となった養親の父母、兄弟姉妹、その子(甥・姪)などとの関係は、死後離縁によって親族関係ではなくなります。
ただし、養親夫婦と共同縁組をしており、他方の養親との親子関係が存続している場合には、その養親側の血族との親族関係は引き続き維持されます。
このように、死後離縁は、どの養親との関係が解消されるかによって、親族関係への影響の範囲が異なる点に注意が必要です。
次に、こうした親族関係の整理を前提として、死後離縁と相続との関係について確認します。
死後離縁と相続・祭祀承継との関係
死後離縁は、養親子関係を将来に向かって解消する手続きであり、亡くなった養親の相続関係そのものに影響を及ぼすものではありません。
養親の死亡によって開始した相続では、その時点で確定した相続関係は、後から行われる死後離縁によって変更されることはありません。
亡くなった養親の相続関係への影響はない
養親が亡くなった時点で、相続関係は確定します。そのため、死後離縁を行ったとしても、亡くなった養親についての法定相続人の範囲や相続分が変わることはありません。
すでに相続人としての地位を有していた養子は、死後離縁をした後であっても、その地位を失うことはなく、相続関係に影響は生じません。
この点は、生前に離縁をした場合とは大きく異なる、死後離縁の特徴です。
相続放棄との関係
死後離縁をしたからといって、相続人であることに影響がないので、相続放棄をしたことにはなりませんし、相続放棄をした場合でも、死後離縁をしなければ養親子関係は解消されません。
亡くなった養親の財産を一切承継しない意向がある場合には、死後離縁とは別に、相続放棄の手続きを行う必要があります。
祭祀承継との関係
死後離縁が相続関係に影響を及ぼさない一方で、死後離縁をする養子が、養親の祭祀を承継している場合は注意が必要です。
この場合は、離縁に伴う祭祀承継の整理として、民法817条により民法769条および897条1項の規定が準用され、養親の親族と協議して祭祀を承継する者を決める必要があります。(民法817条、769条、897条1項)
参考:民法817条
(離縁による復氏の際の権利の承継)
第八百十七条 第七百六十九条の規定は、離縁について準用する。
参考:民法769条
(離婚による復氏の際の権利の承継)
第七百六十九条 婚姻によって氏を改めた夫又は妻が、第八百九十七条第一項の権利を承継した後、協議上の離婚をしたときは、当事者その他の関係人の協議で、その権利を承継すべき者を定めなければならない。 2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所がこれを定める。
参考:民法897条1項
(祭祀に関する権利の承継)
第八百九十七条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
このように、死後離縁は相続関係には影響を及ぼさない一方で、祭祀承継については個別の事情に応じた整理が必要となる点に注意が必要です。
死後離縁をした人の子供の氏の扱い
死後離縁によって養親子関係が解消されても、養子の子供の氏や戸籍は、自動的に変動するわけではありません。
離縁はあくまで養親と養子との身分関係を整理する手続きであり、その効果が直ちに子供に及ぶものではないためです。
養子が離縁によって縁組前の氏に復した場合であっても、養子の配偶者とは違い、子供の戸籍には何も変更がされず、引き続き従前の氏を名乗ることになります。
そのため、お子様も離縁した親と同じ氏にそろえたい場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立てる必要があります。家庭裁判所が許可した後、市区町村へ「入籍届」を提出することで、お子様の氏が変更されます。
一方で、離縁後も親と子の氏をそろえる必要がない場合や、現状の戸籍を維持したい場合には、子の氏の変更許可を申し立てる必要はありません。
なお、家庭裁判所での申立手続や必要書類、申立理由の書き方等の詳しい内容については、本記事では扱いません。
まとめ|養親が亡くなった後の死後離縁|氏の扱いと手続きのポイント
養親が亡くなった後であっても、家庭裁判所の許可を得て養子縁組を解消すること(いわゆる死後離縁)は可能です。
もっとも、死後離縁は自由に行える身分行為ではなく、養親の死亡という事後的な状況のもとで、養親子関係を存続させることが相当かどうかを、家庭裁判所が慎重に判断する制度です。
本記事で整理してきたとおり、死後離縁に関して特に重要なポイントは、次の点に集約されます。
- 死後離縁には必ず家庭裁判所の許可が必要であり、申立ての目的が不当でないことが求められること
- 許可が確定した後も、離縁届を提出しなければ養親子関係は解消されないこと
- 離縁後の氏の扱いや戸籍の整理は、離縁前の戸籍状況によって異なること
- 死後離縁は、亡くなった養親の相続関係には影響を及ぼさないこと
- 子供の氏は自動的には変わらず、必要に応じて別途手続きを要すること
とくに実務上誤解されやすいのが、「死後離縁をすれば相続関係も整理される」「子供の氏も当然に変わる」といった点ですが、これらはいずれも正確ではありません。
死後離縁は、あくまで将来に向かって養親子関係を解消する制度であり、相続や子の氏については、それぞれ別の手続きが必要となります。
そのため、死後離縁を検討する際には、単に氏を戻したいかどうかだけでなく、戸籍の移動、親族関係の整理、相続や祭祀承継との関係まで含めて、全体像を把握したうえで判断することが重要です。
制度の理解と実務上の流れを正しく押さえることで、手続きの途中で迷うことなく、必要な対応を進めることができるでしょう。
よくある質問|養親が亡くなった後の死後離縁|氏の扱いと手続きのポイント
養親が亡くなった後でも、養子縁組を解消することはできるのでしょうか?
はい、可能です。養親が亡くなった後であっても、家庭裁判所の許可を得て離縁届を提出することで、養親子関係を解消できます(いわゆる死後離縁)。
ただし、許可が下りただけでは戸籍は変わりません。許可審判が確定した後に、市区町村へ離縁届を届け出てはじめて、養親子関係が解消されます。
死後離縁は、誰が、どのような立場で申し立てることができるのでしょうか?
死後離縁は、養親または養子の一方が亡くなった後、生存している当事者(養子または養親)が家庭裁判所に申し立てます。
本記事のテーマである「養親が亡くなった後」の場面では、通常は生存している養子が申立人となります。手続の中で、亡くなった養親側の親族が利害関係人として関与することがあります。
なぜ死後離縁には家庭裁判所の許可が必要で、どのような基準で判断されるのですか?
死後離縁は、相手方当事者がすでに亡くなっているため、当事者同士の合意で完結させることができません。そのため、身分関係を解消することが相当かどうかを家庭裁判所が確認する仕組みになっています。
申立人の気持ちだけではなく、申立ての目的・経緯、養親子関係や親族関係の実情などが社会通念上相当かといった点が総合的に検討されます。
「社会生活上容認しえない事情」とは、具体的にどのような場合を指しますか?
これは、死後離縁を許可すると社会生活上の観点から看過できない不利益が生じるなど、制度趣旨に照らして相当とはいえない事情を指します。
裁判例では、離縁により未成年の子が扶養を受けられず生活が成り立たなくなるような場合などが例として挙げられています。
もっとも、実際の判断は「この事情があれば直ちに不許可」という形式的なものではなく、縁組の経緯や関係の実情を踏まえて総合的に検討されます。
死後離縁をすると、すでに確定した相続関係はどうなりますか?
死後離縁は、亡くなった方の相続関係そのものには影響しません。相続は死亡時に開始し、相続人の範囲などはその時点で確定するためです。
そのため、死後離縁をしても、すでに確定した相続人の地位や相続分が変更されるわけではありません。相続について別の整理が必要な場合は、死後離縁とは別に検討する必要があります。
養子がすでに養親の財産を相続していても、死後離縁は認められますか?
はい、相続により財産を取得していることだけで、直ちに死後離縁が認められないということにはなりません。死後離縁は相続関係を変更する制度ではなく、養親子関係を将来に向かって解消するための手続きだからです。
もっとも、申立ての目的や経緯が制度趣旨に照らして相当かどうかは別途確認されます。相続に関する事情も含めて「社会生活上容認しえない事情」に当たるかが総合的に検討されます。
死後離縁をした場合、養子の氏や戸籍はどのように整理されますか?
離縁届が受理されると、養子の身分事項欄に離縁の事実が記録され、養親子関係が解消されたことが戸籍上も明確になります。
そのうえで、養子の氏や戸籍の異動するかどうかは、届出時の関係戸籍の状態によって異なります。縁組前の戸籍が現存していればそれに戻る場合もあり、現存していない場合などは新戸籍が編製されることがあります。
また、一定の要件を満たすと例外的に「縁氏続称(離縁の際に称していた氏を称する届)」により氏を継続することもあります。
死後離縁をすると、養子の子どもの氏や戸籍は自動的に変わりますか?
いいえ、自動的には変わりません。離縁は養親と養子の身分関係を解消する手続きであり、その効果は直ちに養子の子どもに及ぶものではないためです。
そのため、養子が縁組前の氏に復しても、養子の子どもの氏は原則としてそのままです。養子の子どもも親と同じ氏にそろえたい場合は、市区町村へ入籍届を提出する必要があります(家庭裁判所の許可が必要な場合があります)。
死後離縁を検討する際に、事前に確認しておくべき実務上の注意点は何ですか?
実務上は、次の点を事前に整理しておくと手続がスムーズです。
・養子縁組時からの戸籍(縁組前戸籍の有無や婚姻の状況などにより、離縁後の戸籍の変動に差異が生じます)
・相続した財産があるときは、その資料
・祭祀承継をしている場合は、離縁に伴う整理が必要になり得ること
・離縁後の養子の子供の氏の選択
事前に養子縁組前から現在までの養親・養子の戸籍だけでなく、実親と子供の戸籍もあわせて収集すると必要な手続きを把握しやすくなります。