子供だけが、母方の旧姓に氏を変更することは可能でしょうか?
これは状況によって結論が変わってきます。
父母が婚姻中の場合
父母が婚姻中である場合は、不可能です。
この場合は、母方の親族と養子縁組をすることで、母方の旧姓にすることは可能ですが、裁判所の許可を得て自身の氏を変更することはできません。
父母が離婚後、母が旧姓に戻している場合
父母が離婚後、母が旧姓を名乗っている場合、子の氏の変更許可の申立をして、家庭裁判所の許可を得た後、入籍の届をすることで、母方の旧姓になることができます。
父母が離婚後、母が婚姻中の氏を継続して名乗っている場合
父母が離婚後、母が婚氏を続称している場合、母の氏を裁判所の許可を得て旧姓に変更した後、子供が子の氏の変更許可の申立てをして、家庭裁判所の許可を得た後、入籍の届をすることで、母方の旧姓になることができます。
2つの裁判手続をすることになるので、その分時間がかかかります。
父母の婚姻中に、父が先に亡くなった場合
父母の婚姻中に父が先に亡くなった場合は、母が市区町村の戸籍窓口に復氏の届(民法751条第1項)をした後、上記と同様に、家庭裁判所の許可を得たうえで、入籍の届をすることで、母方の旧姓になることができます。
父母の婚姻中に、母が先に亡くなった場合
父母の婚姻中に、母が先に亡くなった場合は、裁判所の許可を得て自身の氏を母方の旧姓に変更することは不可能です。
上記と同様に、母方の親族と養子縁組をすることで、母方の旧姓にすることは可能です。
まとめ
原則、裁判所の許可を得て、子供だけが戸籍上の氏を母方の旧姓に変更することはできません。これは、裁判所は、過去の審判例で、家名を継ぐことを目的とした氏の変更は認めないとしていることが理由です。
しかし、上記のように母の氏が旧姓に戻っているような場合は子の氏の変更許可手続で、比較的簡単に子供の氏を母方の旧姓にすることは可能です。
子の氏変更許可手続きについては「子の氏の変更許可申立の手続」を離婚後に旧姓に戻す手続きについては「離婚後に旧姓に戻さなかった人が旧姓に戻す手続」の投稿もご覧ください。
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