氏の変更届|許可後の必要書類・届書の書き方・提出方法を司法書士が解説

家庭裁判所の氏の変更許可後に氏の変更届を作成し戸籍へ反映する流れのイメージ

家庭裁判所で氏の変更が許可されても、その時点で戸籍上の氏が変更されるわけではありません。許可の審判が確定した後、市区町村へ氏の変更届を提出し、届出が受理されることで戸籍に変更後の氏が反映されます。

氏の変更を届け出る前に、審判書の内容を確認し、確定証明書を取得します。そのうえで、審判書に沿って氏の変更届を作成します。この記事では、氏の変更届に必要な書類、届書の各欄の書き方、提出方法、届出後の戸籍の確認までを司法書士が解説します。

家庭裁判所への申立てから審理、許可、氏の変更届、戸籍への反映までの手続全体については、氏の変更手続の流れをご覧ください。

氏の変更届を出す前に行うこと

家庭裁判所から氏の変更を許可する審判書を受け取ったら、氏の変更届を作成する前に、審判書の内容を確認し、審判が確定した後に確定証明書を取得します。

審判書の内容を確認する

審判書には、申立人の本籍、住所、氏名のほか、氏の変更を許可する内容が記載されています。まず、これらの表示に誤りがないか確認します。

特に確認しておきたいのは、主文に記載された変更後の氏と氏の振り仮名です。氏の変更届は、審判書で許可された氏と振り仮名のとおりに作成します。

審判書の本籍、住所、氏名や、変更後の氏・振り仮名などに誤記がある場合には、そのまま氏の変更届を作成せず、審判をした家庭裁判所へ連絡します。

確定証明書を取得する

氏の変更の許可は、審判書を受け取ってから2週間が経過したときに、許可の審判が確定します。

氏の変更届には、許可の審判が確定したことを証明する確定証明書の添付が必要です。そのため、審判が確定した後、家庭裁判所から確定証明書を取得します。

審判書を受け取ってから確定するまでの期間や、確定証明書の取得にかかる期間・費用については、氏の変更手続にかかる期間と費用で詳しく解説しています。

氏の変更届に必要な書類

氏の変更届を提出するときは、次の書類を用意します。

  • 氏の変更届
  • 家庭裁判所の氏の変更許可の審判書謄本
  • 審判の確定証明書

氏の変更届書の様式は、市区町村の戸籍担当窓口で入手できます。自治体によっては、ウェブサイトから届書をダウンロードして使用することもできます。

氏の変更届には、審判書だけでなく、許可の審判が確定したことを証明する確定証明書も添付します。なお、戸籍法の改正により、戸籍の届出の際に、戸籍の証明書を氏の変更届の添付書類として用意する必要がなくなりました。

また、市区町村の窓口で氏の変更届を提出する場合、マイナンバーカードを持っている方は、カードの氏名変更の手続も併せて行うことができます。

氏の変更届の各欄の書き方

氏の変更届には、現在の氏と変更後の氏、許可の審判が確定した日など、必要事項を記入する必要があります。審判書や確定証明書を確認しながら届書を記入します。

届出日と宛先

氏の変更届の届出日と宛先の欄
届出日と宛先の欄

届出日には、氏の変更届を提出する日を記入します。窓口へ提出する場合は窓口へ届け出る日、郵送する場合は届書を作成する際の日付を記入します。

宛先には、実際に氏の変更届を提出する市区町村長を記入します。本籍地ではなく住所地の市区町村へ届け出る場合には、その住所地の市区町村長を宛先とします。

本人の表示・変更前後の氏・確定日の書き方

氏の変更届の本人の表示と変更前後の氏の欄
本人の表示・変更前後の氏・確定日の欄

「氏を変更する人」の欄には、氏を変更する戸籍の筆頭者について、現在の氏名や氏の振り仮名などを記入します。

変更前の氏には現在の戸籍上の氏を、変更後の氏には家庭裁判所の審判書に記載された氏と氏のフリガナを記入します。変更後の氏とフリガナは、審判書の記載と一致させます。

「許可の審判」の欄には、審判が確定した日を記入します。審判書の日付や審判書を受け取った日ではなく、確定証明書に記載された確定日を確認して記入します。

同じ戸籍にいる人の欄

氏の変更届の同じ戸籍にいる人の欄
同じ戸籍にいる人の欄

同じ戸籍にいる人の欄には、筆頭者、配偶者、同じ戸籍にいる子供について、氏名と住所を記入します。

住所は、実際に生活している場所ではなく、住民票に記録されている住所を基準に記入します。

その他欄と届出人の署名欄

氏の変更届のその他欄と届出人署名欄
その他欄・届出人署名欄

「その他」の欄は、氏の変更に伴って戸籍上あわせて処理してほしい事項がある場合などに使用します。

例えば、別の子供の戸籍に記録された父母の氏名についても変更後の氏へ変更する場合などには、その旨を記載することがあります。

同じ戸籍にいる子供についても、父母の欄の氏名変更について「その他」の欄への記載を求められることが多いため、記入しておくことをおすすめします。

届出人の署名欄には、氏の変更前の戸籍上の氏名で署名します。夫婦が届出人となる場合には、筆頭者と配偶者の欄にそれぞれが署名します。

氏の変更届を提出する

氏の変更届は、本籍地又は所在地の市区町村の戸籍担当窓口に、氏の変更届に審判書、確定証明書を添付して届け出ます。

届出人本人が窓口へ行くことができない場合には、届出人が作成して署名した氏の変更届を、親族などの使者が窓口へ持参することもできます。

氏の変更は、郵送で届け出ることもできます。ただし、その場で確認や訂正ができないため、届書の記載や添付書類に不備があると、窓口への提出よりも受理までに時間がかかることがあります。郵送する場合は、あらかじめ届出先の市区町村に確認しておくと安心です。

海外に居住している場合には、在外公館を通じて氏の変更を届け出ることもできます。在外公館に提出した届書は、本籍地の市区町村へ送付され、戸籍の処理されるので、他の方法よりも時間がかかります。

届出後の戸籍反映と確認

氏の変更届が受理されると、戸籍に変更後の氏が反映されます。

戸籍への反映後は、戸籍全部事項証明書を取得して、変更後の氏と氏の振り仮名が審判書どおりに記録されているか確認します。同じ戸籍にいる子供の父母欄の氏名も正しく変更されているか確認しておくとよいでしょう。

住民票の氏名も、戸籍の変更に基づいて変更されます。戸籍や住民票への反映を確認した後は、運転免許証、銀行口座、パスポートなど、必要に応じて各種の名義変更手続を進めます。

氏の変更届を提出してから戸籍に反映されるまでの期間については、氏の変更手続にかかる期間と費用で詳しく解説しています。

まとめ

家庭裁判所で氏の変更が許可されただけでは戸籍上の氏は変わりません。審判書の内容を確認し、確定証明書を取得して、市区町村へ氏の変更を届け出る必要があります。

氏の変更届には、変更前後の氏や氏の振り仮名、審判の確定日などを記入する必要があります。届書に記入する変更後の氏や氏の振り仮名は、審判書の記載と一致するように記入します。

届出が受理されると、戸籍に変更後の氏が反映されます。戸籍への反映後は、戸籍全部事項証明書を取得して記載内容を確認し、その後、運転免許証、銀行口座、パスポートなどの名義変更手続を進めます。

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