名の変更届|審判書の確認から届出、戸籍への反映までを司法書士が解説

名の変更届の記入をイメージした図

家庭裁判所で名の変更の許可を得たら、許可の審判書を確認したうえで、市区町村に名の変更届を提出します。

この記事では、審判書が届いたときに確認すること、名の変更届の書き方、市区町村への届出、戸籍に反映されるまでの流れを、司法書士が実務の目線で解説します。

審判書の確認

家庭裁判所から名の変更許可の審判書が届いたら、まず内容を確認します。

まず、変更後の名前と振り仮名が、申立てどおりになっているか確認します。

あわせて、本籍、住所、氏名などの本人に関する記載に誤りがないかも確認します。内容に誤りがあるまま手続きを進めると、後日、訂正の手続が必要になりますが、非常に困難です。

したがって、この時点で明確な誤りがあるときは裁判所に連絡をして、訂正を求めます。

届出書を作成するときは、審判書を見ながら記入すると、記載誤りを防ぐことができます。

名の変更届の書き方

名の変更届は、届出先の市区町村の窓口で入手できるほか、多くの市区町村がウェブサイトで様式を公開しています。

届書には、現在の戸籍や住民票に記録されている内容と、家庭裁判所の審判書に記載されている内容を記入します。以下で、届書の全体像を確認したうえで、各欄の書き方を順に解説します。

名の変更届の全体イメージ
名の変更届

本人に関する情報の欄

名の変更届の本人に関する情報の欄
本人に関する情報の欄

氏名の欄には、名を変更する本人の現在の氏名とその振り仮名を記入します。氏名は、届出前の戸籍に記録されているとおりに記入してください。

生年月日、住所、本籍も、同様に現在の戸籍や住民票に記録されている内容に沿って記入します。本籍の欄には、戸籍の筆頭者の氏名も記入します。

本人が15歳未満の場合であっても、この欄に記入するのは法定代理人ではなく、名を変更する本人の情報です。法定代理人の情報は、届書下部の届出人の欄に記入します。

変更前後の名前、許可の審判の欄

名の変更届の変更前後の名前と許可の審判の欄
変更前後の名前、許可の審判の欄

変更前の名前の欄には現在の戸籍に記録されている名前を、変更後の名前の欄には家庭裁判所から許可された名前とその振り仮名を、それぞれ記入します。

変更後の名前と振り仮名は、審判書に記載されているとおりに記入してください。

許可の審判の欄には、審判書に記載された審判の年月日を記入します。審判書が届いた日や審判書謄本の発行日ではありません。

その他の欄、届出人署名欄

名の変更届のその他の欄と届出人署名欄
その他の欄、届出人署名欄

その他の欄は、市区町村から記入するよう案内された事項がある場合に使用します。特に記入する事項がなければ、空欄のままで構いません。

もし、別の戸籍に本人の子供がいる場合は、その他の欄に「本籍〇〇、筆頭者□□の戸籍の子▲▲の父(または母)欄の氏名も変更してください。」と記入しておくと、良いでしょう。

名を変更する本人が15歳以上の場合は、本人が届出人となり、届出人署名欄に現在の氏名で署名します。変更後の名前ではなく、届出をする時点の戸籍上の氏名を記入してください。

署名は、届出人本人が行います。代理人が届書を市区町村へ持参する場合でも、届出人署名欄を代理人が代わって記入することはできません。

法定代理人が届け出る場合の署名欄

名の変更届の法定代理人の署名欄
法定代理人が届け出る場合の署名欄

名を変更する本人が15歳未満の場合は、親権者や未成年後見人などの法定代理人が届出人になります。

法定代理人の署名欄には、法定代理人の資格に応じて、住所、本籍、氏名などを記入し、法定代理人が署名します。なお、住所や本籍が本人と同じであれば、「届出人と同じ」と記入しても問題ありません。

届け出るときのポイント

名の変更届は、本籍地または所在地の市区町村に提出できます。名の変更の届出には、名の変更届書と家庭裁判所の審判書謄本を提出します。令和6年3月1日から、届出の際に戸籍証明書の添付は不要となったので、戸籍謄本を用意する必要はありません。

名の変更を許可する審判に対しては、不服申立てをすることができません。そのため、許可の審判は申立人への告知によって効力が生じ、確定証明書は必要ありません。

届出は、市区町村の窓口へ持参する方法のほか、郵送することも可能です。郵送で届け出る場合は、事前に届出先の市区町村へ必要書類や送付方法を確認すると安心です。

届書に記入漏れや添付書類の不足があると、補正を求められたり、受理まで時間がかかったりすることがあります。提出前に、記入内容や添付書類をもう一度確認します。

市区町村で届出が受理されると、戸籍上の名が変更されます。戸籍への反映時期や、その後の手続については、次の章で説明します。

届出後の戸籍反映と確認

名の変更届が受理されると、戸籍上の名が変更されます。戸籍に反映されるまでの期間は、1〜2週間程度が目安です。

戸籍への反映を確認するには、戸籍全部事項証明書を取得します。変更後の名前、振り仮名が、審判書の内容どおりに反映されているか確認します。

住民票の氏名は、戸籍の変更に基づいて変更されます。マイナンバーカードについても、券面の氏名変更手続が必要になる場合があります。

まとめ

家庭裁判所から名の変更許可の審判書が届いたら、まず内容を確認します。変更後の名前・振り仮名や、本籍・住所・氏名などの記載に誤りがないかを確認し、誤りがあれば裁判所へ連絡して訂正を求めます。

名の変更届の届出には、名の変更届書と審判書謄本を提出します。届出先は、本籍地または所在地の市区町村で、窓口への持参のほか、郵送でも届け出ることができます。

届出が受理されると、戸籍上の名が変更されます。戸籍への反映は1〜2週間程度が目安で、反映後は戸籍全部事項証明書を取得して確認します。

名の変更届に関するよくある質問

名の変更届は、審判書が届いてからいつまでに提出すればよいですか?期限はありますか?

名の変更届の提出に、法律上の期限はありません。ただし、届出をするまで戸籍上の名前は変わらないため、早めに届け出ることをお勧めします。
また、長期間経過した後に届け出る場合には、届出が遅くなった理由の説明を求められることがあります。

審判書謄本を紛失した場合、どうすればよいですか?

審判書謄本は、家庭裁判所に手数料を納付して申請することで再交付を受けられます。裁判所の事件番号が分かると手続がスムーズです。

本籍地でも住所地でもない市区町村に届け出ることはできますか?

名の変更届は、本籍地のほか、住所地や一時的な滞在地の市区町村でも届け出ることができます。

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