名の変更(改名)の手続|家庭裁判所への申立てから名の変更届までを司法書士が解説

名の変更(改名)手続の流れを表したイメージ

名の変更(改名)は、戸籍上の「名」を変更する制度であり、家庭裁判所の許可を得たうえで、市区町村に届け出るという二段階の手続で進みます。

この記事では、司法書士が手続全体の流れを整理し、証拠資料の収集から申立書の作成、審査への対応、許可後の届出までの各ステップと、それぞれの詳しい解説記事をご案内します。

名の変更(改名)手続の全体像|申立てから戸籍反映まで

戸籍法107条の2にもとづく名の変更(改名)は、家庭裁判所の許可を得たうえで、市区町村に届け出るという二段階の手続で進みます。

参考:戸籍法107条の2
正当な事由によつて名を変更しようとする者は、名及び名の振り仮名を変更することについて家庭裁判所の許可を得て、その許可を得た名及び名の振り仮名を届け出なければならない。

第1段階|家庭裁判所への名の変更許可申立て

住所地を管轄する家庭裁判所に対して、「正当な事由」があることを証明する資料を添えて申立書を提出します。審査の進み方や許可までの期間は、担当する裁判所や事案によって差があります。

第2段階|市区町村への名の変更届

家庭裁判所の許可を得たら、審判書を添えて市区町村に名の変更届を提出します。受理後、戸籍に反映されるまでの期間は1~2週間程度が目安です。

手続を始める前に整理しておきたいこと

申立ての準備に入る前に、次の2点を確認しておきます。

「正当な事由」にあたるかどうかの整理

名の変更が許可されるには、戸籍法107条の2で定められた「正当な事由」が必要です。ご自身の事情がこれにあたるかどうかは、具体的な事例や裁判所の判断基準を踏まえて整理する必要があります。

もし、現時点で正当な事由にあたる事情がなければ、「通称名を名乗っていることを理由(通称の永年使用)に改名する手続」のとおり、通称を名乗り続け、準備をしてから、手続に臨むことも検討する必要があります。

正当な事由の判断基準を確認する

正当な事由にあたる典型的なケースや裁判所の判断基準は、「改名が認められた例の解説:裁判所はどのような基準で許可するのか」の記事で詳しく解説しています。

変更後の新しい名前の検討

申立書には、変更後の新しい名前を記載する必要があります。通称として、既に新しい名前を名乗っている場合は問題になりませんが、これから新しい名前を考えるのであれば、十分に検討する必要があります。

新しい名前を検討する際の注意点

変更後の名前を検討する際に、認められにくい名前を避けるというポイントがあります。この点は「改名で失敗しない!許可されない新しい名前の特徴」で解説しています。

名の変更の手続の流れ

申立書の作成

戸籍等の書類と「正当な事由」を証明する資料が揃ったら、名の変更許可申立書を作成します。

なお、令和7年5月の戸籍の氏名への振り仮名記載制度の開始に伴い、申立書の様式も変更されています。

申立書の書き方と必要書類を確認する

詳しくは「名の変更許可申立書|必要書類と各欄の書き方を司法書士が解説」をご覧ください。

申立て後の審査と裁判所への対応

申立書を提出すると、家庭裁判所で「正当な事由」の有無が審査されます。審査の過程で、参与員との面談(予備審尋)や書面による照会が行われることが多いです。

面談・照会あるいはその両方が実施されるか、具体的な内容、審査にかかる期間は、担当する裁判所や事案によって異なります。

裁判所からの連絡に応じない場合、そのまま却下されることがあります。裁判所の連絡には、できる限り迅速に対応することが大切です。

費用と期間

名の変更の手続には、裁判所に納める手数料や郵便切手代、戸籍・住民票の取得費用等がかかります。専門家に依頼する場合の報酬の目安も含めて解説しています。

費用と期間の目安を確認する

詳しくは「改名手続の裁判所の費用とその他にかかる費用」をご覧ください。

まとめ

名の変更(改名)は、家庭裁判所の許可を得たうえで、市区町村に届け出るという二段階の手続です。証拠資料を集め、申立書を作成し、審査を経て許可を得たら、名の変更届を提出します。

申立てに進む前に、ご自身の事情が「正当な事由」にあたるかどうか、変更後の新しい名前をどうするかを、あらかじめ整理しておくことが大切です。

申立書の書き方、名の変更届の書き方、費用と期間の目安は、それぞれの記事で詳しく解説しています。ご自身の状況に応じて、必要な記事をご確認ください。

名の変更(改名)手続に関するよくある質問

名の変更許可の申立てから、戸籍に反映されるまで、全体でどのくらいの期間がかかりますか?

申立てから許可までの期間は、担当する裁判所や事案によって異なりますが、許可後の届出から戸籍への反映までは1~2週間程度が目安です。手続全体でおおよそ2~3か月程度を見込んでおくとよいでしょう。

未成年者や海外在住者でも、名の変更の手続はできますか?

日本人で日本に戸籍がある限り、未成年者や海外在住者でも手続をすることができます。15歳未満の未成年者は、父母等の法定代理人が本人に代わって手続をします。

名の変更が許可されなかった場合、再度申立てをすることはできますか?

追加の証拠資料や事情の変化があれば、再度申立てをする意味があります。一方で、判断された理由と矛盾する内容での再申立ては、認められにくくなります。

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