名の変更手続の費用と期間|家庭裁判所の申立てから戸籍反映までを司法書士が解説

名の変更手続の費用と期間をイメージした図

名の変更(改名)の手続には、戸籍代や住民票代、家庭裁判所に納める手数料、その他の実費、専門家に依頼する場合の報酬など、複数の費用がかかります。また、申立てから戸籍に反映されるまでの期間も、段階によって目安が異なります。

どういった費用や期間がどれくらいかかるのか、おおよその目安を知ったうえで、手続の準備を始めることが大切です。この記事では、費用と期間の目安をまとめて確認したうえで、それぞれの内訳を、司法書士が実務の目線で解説します。

費用と期間の結論

名の変更(改名)の手続では、ご自身で手続をする場合でも、証拠資料を集めるための経費と、家庭裁判所に納める手数料が必要です。専門家に依頼する場合は、これらの実費に加えて、専門家の報酬がかかります。

なお、家庭裁判所に納める手数料は、申立先の裁判所によって差があり、一律の金額をお示しすることはできません。

期間については、名の変更の手続全体でおおよそ3か月前後が目安です。このうち、家庭裁判所の許可後、市区町村へ届出をしてから戸籍に反映されるまでは1〜2週間程度とほぼ一定です。

一方、申立てから許可が出るまでの審査期間は、担当する裁判所や事案によって差があるため、一律の目安をお示しすることはできません。

費用・期間それぞれの内訳は、次の章から詳しく解説します。

申立て前にかかる費用

家庭裁判所への申立てには、法令で定められた戸籍等の添付書類と、名の変更の理由を証明するための証拠資料をあわせて提出する必要があります。これらの資料を用意するための経費は、少なくとも450円以上かかります。

戸籍・住民票の取得のための手数料

家庭裁判所への申立てには、発行から3か月以内の現在の戸籍全部事項証明書1通の添付が必要です。状況によっては、過去の戸籍や、裁判所の管轄を証明するための住民票・戸籍の附票の添付を求められることもあります。

証明書の種類 発行手数料
現在の戸籍 1通あたり450円
除籍又は改製原戸籍 1通あたり750円
住民票又は戸籍の附票 市区町村により異なる(1通あたり200円〜400円程度)

現在の戸籍と住民票は、マイナンバーカードを使ってコンビニ等の複合機で取得することができ、発行手数料もやや安くなります。令和6年3月1日以降は、本籍地以外の市区町村であっても取得できるようになりました。

戸籍や住民票は郵便でも請求できます。この場合、郵便局で手数料分の定額小為替(1通あたり200円)を購入し、本籍のある市区町村へ郵送する必要があるため、郵送料もあわせてかかります。

戸籍謄本の取得方法を詳しく確認する

窓口・郵送・コンビニ・広域交付の違いについては、「戸籍謄本の取得方法|窓口・郵送・コンビニ・広域交付の違い」で解説しています。

証明書を取得するための費用

正当な事由を証明するために、戸籍や住民票以外の診断書や外国の証明書等の取得が必要になることもあります。

これらの証明書の費用は、発行する団体等によって異なり、無料のものから、数百円、高いものでは数千円かかるものまでさまざまです。例えば、医師の診断書は数千円以上かかることが多く、外国の出生証明書や戸籍は、国によって金額が大きく異なります。

その他の資料を集めるための費用

証明書のような明確な書類でなくても、名の変更の正当な事由を裏付ける資料になることがあります。こうした資料を保管したり、プリントアウトしたりするための費用も、あわせて必要になります。

裁判所に支払う手数料の内訳

家庭裁判所へは、収入印紙と裁判所が指定した郵便切手を納めます。

裁判所の手数料(一律800円)

名の変更許可申立ての家庭裁判所の手数料は、一律800円です。800円分の収入印紙を、申立書とあわせて家庭裁判所へ提出します。

通信用の切手代

申立書を家庭裁判所へ提出する際は、裁判所との連絡用の郵便切手を、裁判所が指定した内訳で納める必要があります。合計金額や切手の種類は裁判所ごとに定められているため、申立て前に裁判所のホームページ等で確認します。

東京家庭裁判所では1,770円分、それ以外の家庭裁判所では330円〜550円程度です。

その他に支払う費用

名の変更の手続ではほとんどありませんが、医療的な鑑定等の専門家の調査が必要になる場合は、この調査のための費用を、あらかじめ裁判所へ納めるよう求められることもあります。

各段階にかかる期間

申立て前の準備期間は、集める証拠資料の種類、通称としての使用期間、戸籍の収集状況、海外在住かどうかなど、個別の事情によって大きく異なります。そのため、この段階の期間について、一般的な目安をお示しすることはできません。

申立てから許可までの期間

家庭裁判所へ申立てをした後、許可が出るまでの審査期間は、参与員との面談(予備審尋)や書面による照会の有無、内容によって変わります。担当する裁判所や事案によって差がありますが、現時点での一応の目安としては、3か月程度です。

申立書の書き方を確認する

申立書の準備や申立て後の流れについては、「名の変更許可申立書|必要書類と各欄の書き方を司法書士が解説」で解説しています。

許可から戸籍反映までの期間

家庭裁判所の許可を得て、市区町村へ名の変更届を提出すると、戸籍に反映されるまでの期間は1〜2週間程度が目安です。この期間は、申立てから許可までの審査期間と異なり、比較的一定しています。

名の変更届の書き方を確認する

許可後の届出の流れについては、「名の変更届|審判書の確認から届出、戸籍への反映までを司法書士が解説」で解説しています。

全体の期間の目安

名の変更の手続全体にかかる期間は、おおよそ3か月前後が目安です。このうち、確定的な目安を示せるのは、届出から戸籍反映までの1〜2週間程度のみで、準備期間や審査期間を含めた残りの大部分は、個別の事情によって変動します。

専門家に依頼する場合の費用

専門家の報酬は自由化されており、依頼先によって金額や支払い方に違いがあります。

書類作成報酬

書類作成報酬は、申立書等、裁判所へ提出する書類の作成に対して支払う報酬です。書類の作成後、裁判所へ申立書を提出するまでに支払うことが多いです。

弁護士は手続代理人になるため、このパターンで依頼を受けることはありません。

着手金と成功報酬

着手金は、専門家が手続に着手するために支払う報酬で、一般的には依頼後すぐに支払います。

成功報酬は、手続の目的を達成したことに対して支払う報酬です。名の変更の手続であれば、家庭裁判所の許可を得たことで目的が達成されるため、許可後に支払います。

このバリエーションとして、着手金がなく、手続が成功したときにのみ報酬を支払う完全成功報酬制もあります。一般的には、手続が成功する可能性が高い場合に選ばれます。

タイムチャージ制

タイムチャージ制は、専門家が手続のために使った時間に対して報酬を支払う方法です。あらかじめ1時間あたりの報酬額を定め、一定期間ごとに実際の作業時間を集計して支払います。手続の難易度が高く、結果を予測しにくい場合に設定されることが多いです。

その他の費用

この他に、次のような報酬・手数料等が発生することもあります。

  • 戸籍等の取得を代行する場合の、戸籍代等・郵送料又は交通費とは別の専門家の手数料
  • 法令、専門文書等の調査料
  • 外国文書の翻訳料
  • 裁判所へ同行することへの日当交通費

当事務所の費用

当事務所の名の変更の手続の報酬は、着手金と成功報酬を設定しています。着手金は66,000円(消費税を含む)、成功報酬は同じく66,000円(消費税を含む)です。

  • 戸籍や住民票の取得を代行する場合は、戸籍・住民票代と郵送料をいただきますが、代行手数料はいただきません。
  • 調査料等の名目で追加の費用をいただくことはありません。
  • 首都圏以外の裁判所へ同行を希望される場合は日当交通費をいただきますが、首都圏の場合はいただきません。

まとめ

名の変更の手続にかかる費用は、ご自身で手続をする場合は、戸籍等の取得費用(450円以上)と裁判所に納める手数料(収入印紙800円と郵便切手代)は、少なくとも必要です。

さらに専門家に依頼する場合は、これらの実費に加えて専門家の報酬がかかります。

期間は、申立てをした後、手続全体でおおよそ3か月前後が目安です。このうち、家庭裁判所の許可後、届出をしてから戸籍に反映されるまでは1〜2週間程度とほぼ一定ですが、申立て前の準備期間や、申立てから許可までの審査期間は、個別の事情や担当する裁判所によって差があります。

費用・期間とも、正確な見通しを立てるには個別の事情を踏まえた確認が欠かせません。ご自身の状況に応じて、それぞれの章をご確認ください。

名の変更手続の費用と期間に関するよくある質問

裁判所の手数料は現金で支払えますか?電子マネーは使えますか?

家庭裁判所の手数料等は、原則として収入印紙と郵便切手で納めます。電子マネーは使えません。

裁判所に納める費用の総額は、いくらですか?

名の変更の手続のため裁判所に納める収入印紙と郵便切手は、あわせて1,000円〜3,000円程度です。申立先の家庭裁判所のウェブページでも確認できます。

当事務所に依頼した場合の報酬は、いくらですか?

当事務所にご依頼いただいた場合、家庭裁判所の許可を得た際の報酬は、着手金と成功報酬をあわせて132,000円(消費税を含む)です。詳細は「当事務所の費用」でご確認ください。

申立てが却下された場合、支払った収入印紙代等は返金されますか?

申立ての手数料として納めた収入印紙は返還されません。一方、使用されなかった郵便切手は、手続の終了後に返還されます。

ご相談の予約・お問い合わせはこちら