帰化した人の氏名の変更

帰化した人の氏名

帰化の許可によって日本国籍を取得した人は、配偶者や親が日本国籍者である場合を除いて、原則的に新たに戸籍が作成されます。

昭和60年(1985年)よりも前は、戸籍の氏名は日本風の氏名でなければなりませんでしたが、同年の国籍法の改正で、日本風の氏名や国籍取得前の氏名のカタカナ表記が可能になりました。

帰化後の氏名の変更

帰化の際に選んだ氏名を、通常の改名、改姓の手続きで変更することは可能ですが、この場合も正当な事由ややむを得ない事由が必要です。

帰化時に日本風の氏名を選んだ人のケース

帰化の時点で和風の氏名を選んだ人が、外国籍であったときの氏又は名前あるいは両方のカタカナ表記(中国や韓国等の場合は漢字も)に戻したい人もいます。

氏名の両方の変更を許可されたケース

昭和60年以前に日本に帰化して、当時は和風の氏名を名乗るよう法務局で言われ、和風の名前で戸籍を作成した方がいました。

しかし、職場や日常生活では、帰化前の氏名を通称として名乗り続け、その後、不便であるので日本の戸籍上も帰化前の氏名のカタカナ表記に変更しようと裁判所に申立てをしました。

この方の場合は通称として名乗り続けていたこと、家族全員が帰化前の氏名を名乗ることを希望していたこと等を理由に、家庭裁判所が氏名の変更を許可しています。

氏の変更が許可されたケース

両親と日本に在住し、住民票(外国人登録原票)に通称が記録されている方が、帰化時にその通称とは違う氏を選択したあと、両親と氏が違うことで不都合が生じているケースです。

この場合、一概に許可されるわけではありませんが、帰化後も帰化前の記録された通称の氏を継続的に名乗っているような場合は、許可されることがあります。

氏の変更が許可されなかったケース

帰化時に和風の氏名を選択した後、帰化前の国のアイデンティティを強く意識することになった人が、帰化前の氏への変更を家庭紙ア番所に求めたケースです。

この場合は裁判所は氏の変更を許可しませんでした。理由は帰化後には戸籍上の氏名を名乗っていたこと、帰化前の氏を通称として名乗っている期間が短かったことなどが考えられます。

帰化時に元の氏名を選んだ人のケース

帰化の時点で元の氏名のカタカナ表記又は漢字を選んだ人が、日本風の氏名に変更することを希望もいます。

名前の変更

帰化時に戸籍の名前を外国籍の名前のカタカナ表記又は漢字を選択した人が、帰化後に、身分証明書を提示しても、日本人扱いされない等の不都合があったので、裁判所に和風の名前へ変更する申立てをしました。

この場合は、名前の変更手続きで例示されている「外国人と紛らわしい名前」にも当てはまるので、許可される場合が多いです。

氏の変更

氏の変更の場合も、外国人と紛らわしいことが許可される事由の一つに挙げられています。しかし、帰化した人の場合は、自分でその氏を選択しているので、裁判所は変更を認めないことが多いです。

まとめ

和風の名への変更は許可されやすいですが、帰化前の名への変更は難しいと考えられます。

また氏の変更は、和風の氏、帰化前の氏のいずれであっても許可される可能性は低く、通常の氏の変更と同じくやむを得ない事由が求められると考えられます。

ですので、帰化手続き中に日本の戸籍の名前を慎重に検討して、迷うようであれば元の名前のカタカナ表記を選んでも良いと思います。