通称の使用を理由に改名する手続
改名の手続きで、通称の永年使用は、最も許可されている理由だと思います。
通称として、戸籍上の名前以外を名乗って生活しているために、むしろ戸籍上の名前を名乗ることで支障をきたす様な場合に、戸籍上の名前の改名が許可されます。
この場合は、長年通称を名乗って生活していることが分かる資料を証拠として、家庭裁判所に提出します。
新しい名前の注意点
新しい名前は、原則、人の名前に使える漢字でなければなりませんが、資料がきちんとそろっているようであれば、その他の漢字も可能です。この場合は、住民票、マイナンバーカードや免許証等で文字を置き換えられる可能性が高いです。
一つの名前だけでなく、いくつもの通称を名乗っているような場合、文字違いが混在するような場合は要注意です。これが原因で許可されないことは十分にあり得ます。
また読みは同じだけれども、ひらがな、カタカナ、ローマ字が混在するような場合も注意が必要です。特にローマ字の資料だけですと、不可能だと考えられます。
通称を名乗っている期間について
成人の場合は約5年から7年程度、未成年の場合は数年と言われています。
未成年は、戸籍上の名前も変えてしまっても、成人程重大な影響が生じないからだとされています。
資料の量と質について
資料の量はとても重要です。最低でも毎年5種類以上と言われていますが、多ければ多いほど許可を得やすいです。
資料の質
量も重要ですが、資料の質もとても重要です。
家庭裁判所に、社会生活上、戸籍上の名前を名乗ることの方が問題になることを理解してもらう必要があるので、たくさんの資料があっても社会生活に影響がないのであれば、許可されません。
例えば、資料がネット通販やフリマアプリのメールや送り状だけであれば、日常は戸籍上の名前で生活して、通販の別名で取引していると判断されるので、許可を得る事は難しいです。
また資料の質が良ければ、資料の量が多少不足していても許可を得ることもできます。
ちなみに担当裁判官によっては、水道光熱費の検針票や請求書等を求められることも多いですが、必須というわけではありません。
資料の具体例
以前は、年賀状や暑中見舞い等のハガキが良く見られましたが、これに限定されているわけではありません。
例えば、以下のようなものも資料になりえます。
これがあれば大丈夫というわけではなく、幅広く色々なものがあった方が許可されやすいです。
いずれも新しい名前が分かることも重要ですが、いつ頃のものか分かる必要があります。(何年の何月頃までわかれば十分です)
手続のご相談
名の変更手続に関しての一般的な内容は、「名の変更許可(改名)のご相談」もご覧ください。
手続に関するご相談は、下のボタンをクリック又はタップして、お問い合わせフォームから、お問い合わせください。
問い合わせをする通称を理由にした名の変更の歴史
その昔、通称を名乗っていることは、戸籍法107条の2に言われている正当な事由には当たらないとして、裁判所は認めていませんでした。
詳細は、「通称の使用を理由にする名前の変更手続の歴史」の投稿をご覧ください。