子の氏の変更許可申立書|必要書類と各欄の書き方を司法書士が解説

子の氏の変更許可申立書の記入から家庭裁判所への提出までの流れを表したイメージ

子の氏の変更許可申立てをするためには、申立書を作成し、必要な戸籍等とともに家庭裁判所へ提出します。

申立書そのものは定型的な書式ですが、申立人となる子の年齢、親子の戸籍関係の異動によって、記載する内容や添付する戸籍の範囲が異なります。

この記事では、子の氏の変更許可申立てについて、必要書類、申立書の各欄の書き方、窓口・郵送による申立方法まで順に解説します。

申立て前に確認しておく戸籍関係や、許可後の入籍届までを含む手続全体については、子供の名字の変更手続きで解説しています。

子の氏の変更許可申立ての準備

子の氏の変更許可申立てでは、申立書を作成する前に、申立て先となる家庭裁判所と提出する戸籍等を確認します。

申立て先は子の住所地を管轄する家庭裁判所

子の氏の変更許可申立ては、子の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。

申立てをする前に、子の住所地を管轄する家庭裁判所を確認しておきます。管轄を誤った場合は、正しい管轄の家庭裁判所へ移送されるなど、手続きに時間がかかることがあります。

申立てに必要な戸籍等の書類

子の氏の変更許可申立てでは、申立書のほか、子の現在戸籍と、氏を同じくしようとする父または母の現在戸籍を提出します。

父母が離婚した直後など、子が引き続き父(または母)を筆頭者とする戸籍に在籍している場合は、子の現在戸籍がそのまま父(または母)側の戸籍を兼ねるため、実務上はこの2通で足りることが多くなります。

一方で、子がすでに父母いずれの戸籍からも離れている場合(転籍や養子縁組、過去の氏変更手続などを経ている場合)は、子の現在戸籍だけでは父または母との関係を確認できないことがあります。この場合は、氏を同じくしようとする親の現在戸籍に加えて、もう一方の親の戸籍まで確認が必要になることがあります。

さらに、親子の婚姻・離婚・再婚・転籍などにより戸籍の異動が複数回行われている場合は、現在戸籍だけでは氏の変動の経過を確認できないことがあります。その場合は、除籍謄本や改製原戸籍など、過去の戸籍の提出を求められることがあります。

また、戸籍上の利害関係人がいる場合には、事情に応じて同意書などの資料を提出することがあります。申立先の家庭裁判所によって、提出を求められる資料が異なる場合もあります。

どの戸籍まで確認する必要があるかは個別の状況によって異なるため、子供の名字の変更手続きで詳しく解説しています。

戸籍謄本等の具体的な取得方法は、戸籍謄本の取得方法|窓口・郵送・コンビニ・広域交付の違いをご覧ください。

子の氏の変更許可申立書の書き方

子の氏の変更許可申立てでは、家庭裁判所所定の申立書を使用します。申立書の様式は、裁判所の公式ページ(子の氏の変更許可の申立書)からダウンロードできます。

申立書には、申立人となる子の情報、法定代理人、申立ての趣旨、申立ての理由などを記入します。

子の氏の変更許可申立書 全体 1ページ目
申立書 1ページ目
子の氏の変更許可申立書 全体 2ページ目
申立書 2ページ目

提出先・申立日・署名等の欄

子の氏の変更許可申立書の提出先や署名等の欄
提出先・申立日・署名等の欄

申立書の冒頭には、提出先となる家庭裁判所と申立書の作成日を記入し、申立てを行う者の署名等を記入します。15歳未満の子どもの場合では、本人に代わって親権者がここに署名をします。

添付書類を記載する欄には、実際に提出する戸籍等を記入します。戸籍以外の資料や同意書を添付する場合も、あわせて記入します。

申立人の欄

子の氏の変更許可申立書の申立人欄
申立人欄

申立人の欄には、子ども本人の現在の本籍、住所、氏名、生年月日を、戸籍や住民票の記載に沿って正確に記入します。父や母を申立人として記入することはありません。

複数の子どもについて同時に申立てをする場合は、一つの申立書でまとめて申立てをすることもできます。

15歳未満の場合の法定代理人などの欄

子の氏の変更許可申立書の法定代理人欄
法定代理人欄

子が15歳未満の場合は、法定代理人が子に代わって申立てを行います。誰が法定代理人となるかは、親権の状況によって異なります。

親権者が父母の一方のみである場合は、その親権者が法定代理人として申立てを行います。父母双方が親権者である場合は、原則として父母が共同で(連名で)申立てを行います。

父母間の話し合いが調わない場合は、親権行使者の指定の手続を検討することになり、指定を受けた場合はその一方が単独で申立てを行うことができます。

この場合は、親権行使者が指定されていることを証する書面を添付します。例えば、審判で指定された場合は審判書謄本と確定証明書、調停で指定された場合は調停調書謄本を提出します。

申立書の法定代理人欄には、該当する法定代理人の氏名、住所などを記載します。本籍・住所が同じ場合は「申立人と同じ」と記入しても問題ありません。

申立ての趣旨の欄

子の氏の変更許可申立書の申立ての趣旨欄
申立ての趣旨欄

申立ての趣旨には、子が父または母の氏を称することの許可を求める旨を記入します。

裁判所のひな形にあるとおり、「申立人の氏(現在の子どもの氏)を母(又は父もしくは父母)の氏(現在の父又は母の氏)に変更することの許可を求める。」と記入します。

申立ての理由の欄

子の氏の変更許可申立書の申立ての理由欄
申立ての理由欄

申立ての理由欄では、主に「父・母と氏を異にする理由」と「申立ての動機」を記載します。

「父・母と氏を異にする理由」の欄

この欄には、子が父または母と氏を異にすることとなった理由と、その日付を記載します。

婚姻や離婚などが複数回ある場合は、単に最初に氏が異なった出来事ではなく、現在の氏の状態に至った事情と日付を記入することがあります。

「申立ての動機」の欄

申立書には、一般的な申立ての動機があらかじめ用意されています。通常であれば、該当する項目を選択することで足ります。

一方、親の氏が変わってから長期間が経過している場合や、ひな形に列挙された事情に当てはまらない場合は、必要に応じて具体的な事情を別紙などで補足します。

申立ての理由は長く書けばよいものではありません。なぜ父または母の氏を称する申立てをするのかが分かるように簡潔に記入することが重要です。

子の氏の変更許可申立ては窓口でも郵送でも提出できる

子の氏の変更許可申立書は、家庭裁判所の窓口へ持参する方法と、郵送で提出する方法のいずれでも行うことができます。

窓口へ持参する場合

窓口へ持参した場合は、受付時に形式的な記載漏れや添付書類の不足について案内を受けられることがあります。ただし、審理の過程であらためて追加資料の提出を求められる場合もあります。

また、一部の家庭裁判所では、一定の条件を満たす事案について、申立て当日に許可の審判が行われる即日審判を実施しています。ただし、実施の有無や対象となる事案は家庭裁判所ごとに異なります。

審理にかかる時間の目安は、子の氏の変更(子の入籍)許可手続の期間と費用で詳しく解説しています。

郵送で提出する場合

郵送する場合も、提出先は子の住所地を管轄する家庭裁判所です。申立書、必要な戸籍等、収入印紙、裁判所が指定する郵便切手など、必要な書類をそろえて送付します。

郵送では、窓口でその場で記載漏れや不足書類を確認してもらうことができません。そのため、申立書の記載、添付書類、送付先を提出前に確認しておくことが重要です。窓口へ持参する場合と異なり、審理の結果が届くまでは郵送での連絡を待つことになります。

提出後は家庭裁判所で審理が行われ、申立書の記載と戸籍の内容に不整合がある場合や、提出した戸籍だけでは氏の変動を確認できない場合には、補正や追加資料の提出を求められることがあります。審理から許可までの流れについては、子供の名字の変更手続きで解説しています。

まとめ|申立書は戸籍と整合させて作成し、窓口・郵送いずれでも提出できる

子の氏の変更許可申立てでは、子の住所地を管轄する家庭裁判所へ、申立書と必要な戸籍等を提出します。申立書の各欄は、戸籍に記載された親子関係や氏の変動と整合するように記載することが重要です。

申立ては、家庭裁判所の窓口へ持参する方法でも、郵送で提出する方法でも行うことができます。窓口では事案によって即日で許可の審判書を受け取れることもありますが、郵送ではその場での確認ができないため、提出前の確認がより重要になります。

家庭裁判所から許可を受けただけでは、子の戸籍上の氏は変更されません。許可後に市区町村へ入籍届を提出することで、はじめて戸籍にその変更が反映されます。入籍届の各欄の書き方は子の入籍届の作成|子の氏の変更許可後に行う戸籍届出で詳しく解説しています。

戸籍関係が明確であれば、申立書の作成自体は難しいものではありません。まずは戸籍を確認し、記載事項を整えることから始めましょう。

よくある質問|子の氏の変更許可申立書の書き方

申立書はどこで入手できますか?

裁判所の公式ページ(子の氏の変更許可の申立書)から様式をダウンロードできます。家庭裁判所の窓口でも受け取ることができます。

15歳未満の場合、申立書には誰が署名しますか?父母が共同親権の場合はどうなりますか?

親権者が父母の一方のみである場合は、その親権者が法定代理人として署名します。
父母双方が親権者である場合は、原則として父母が共同で(連名で)申立てを行います。父母間の話し合いが調わない場合は、親権行使者の指定の手続を検討することになり、指定を受けた場合はその一方が単独で申立てを行うことができます。

複数の子どもを一つの申立書でまとめて申立てられますか?

はい、できます。複数の子どもについて同時に申立てをする場合は、一つの申立書でまとめて手続きすることができます。

申立ての理由や動機は、どの程度まで書けばよいですか?

一般的な事案であれば、申立書のひな形に列挙された事情に該当する項目を選ぶことで足ります。
親の氏が変わってから長期間が経過している場合など、ひな形の記載だけでは事情が伝わりにくい場合は、別紙などで具体的な事情を補足します。

利害関係人がいる場合、同意書は必ず必要ですか?

必須の添付書類ではありませんが、添付がない場合は利害関係人への書面照会がされることもあります。

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